京都大学人文科学研所所蔵甲骨文字・本文篇・索引編/董作賓によって始められた甲骨の五期の時代區分により分類する編輯方針をとる

商品説明


京都大学人文科学研所所蔵甲骨文字2冊でまとめてみました　1960年　1968年 本文篇約8cm　部数は少なそうです資料用にもいかがでしょうか。

は誠に遺憾の極みであつた。
著者は昭和十年故羽田亨博士の指導の下に、東方文化研究所において甲骨文の研究に初めて手を染 めて以来、日本における公私の諸甲骨コレクションの探訪に努力を重ねてきた。幸に關西の諸収藏家 の厚意と、文部省、京都大學當局の援助によつて、上野、黒川兩氏舊の日本において最大最優の甲 骨資料を人文科學研究所の一堂に會することをえた。
甲骨の資料の収集は緒についたが、この多数の甲骨實物の全部の拓本をとり、これを整理編輯して 世界の學界のために公刊することは、われら日本甲骨學者の責務であつたが、その仕事は容易でなか つた。その困難は先づ拓本に適する用紙の入手難から、精密を必要とする甲骨の拓本を作りがたいこ とであつた。昭和二十四年以來、貝塚美代がこの拓工の勞にあたり、研究所の助手として昨年まで勤 務された伊藤道治學士の協力によつて拓本の整理に従事した。その後、研究所並びに京都大學の好意 により、文部省から巨額の補助をうけて、昨年まづ圖版の二冊を出版し、本年その釋冊の出版を 完了することができた。これによつて今まで、國内及び國外の學界から度々寄せられた資料公刊の要 望に、やつと癒えることができた。
本書は最近の甲骨學の趨勢にじて、ト辭を董作賓によって始められた甲骨の五期の時代區分によ つて分類する編輯方針をとった。董作賓の断代研究の大綱は現代學界の支持をうけているが、戦後に 發表された第四期文武丁時代卜辭の時代決定については、かねて著者および陳夢家をはじめ、多くの 學者が反對説を提出してきたものである。本書の本文においては、おもに著者のト辭時代決定に關す
る説を述べて序説とした。
本書の完成にあたり、先ず著者に甲骨文に對する關心を喚起された故内藤虎次郎博士と東方文化研 究所の研究を指導し、終始有益な助言を與えられた故羽田亨博士の靈に謹んで敬意をささげることを 許されたい。次に本書の基をなす甲骨コレクションの所藏者故黑川幸七翁、上野精一氏、橋本節哉畫 伯、ならびに黒川コレクションの入手にあたって助力された梅原末治博士らから浴した厚恩に謝意を 表したい。
本研究にたいする協力者としては、第一に前本所助手、現神?大學助教授伊藤道治君の勞を特筆せ ねばならない。同君は昭和二十四年以来、著者とともに、その整理、解讀等の仕事にあたられた。こ とに昭和三十三年九月、著者は時代及び内容による本所甲骨の分類を終えた後、米國コロンビア大 學の招聘をうけて渡米したので、圖版冊の出版の仕上げを伊藤君と齋藤菊太郎氏に一任した。伊藤君 は、複雑きわまる仕事をよく完了された。また本冊についても、第一期、第二期、第三期、第五期 のト辭釋文は同君の原稿に著者が多少補筆したものである。その責は、もとより著者にあるが、同君 の綿密な考證は、學界を益するところ多大であろう。 長年にわたる勞苦に感謝の辭を見出すに苦しむ ものである。
本所藏甲骨三二四六片は圖版冊に拓本を影印し、一部分は實物寫眞を添えたが、これらをもつてし ても、刻字の細部が不明瞭で、解讃しがたいものがある。 本文冊釋文の部に、このように問題のあ ト辭五九一片の實大抄本の凸版をかかげた。さらに圖版冊刊行後發見した本所甲骨相互の綴合例

お探しの方、お好きな 方いかがでしょうか。

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