★泉鏡花,小村雪岱装丁,芥川龍之介原稿見返し,最後の元版本『斧琴菊』昭9,初,昭和書房,函/「刊行書目」付★ 小売 生田敦夫旧蔵識語,保存用タトウ

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商品情報


★泉鏡花、小村雪岱 木版刷り装丁、芥川龍之介 原稿複製見返し★生前最後の元版本、『斧琴菊』、昭和9年、初版、昭和書房、函・「昭和書房刊行書目」付き★ 生田敦夫(洗竹亭)旧蔵、識語入り、保存用拵えタトウ付き



商 品 詳 細








商品名 ☆ 『斧琴菊』

著 者 ☆ 泉鏡花

装 丁 ☆ 小村雪岱、見返しに芥川龍之介自筆原稿複写

外 装 ☆ 函・「昭和書房刊行書目」付き

版 数 ☆ 初版

時 代 ☆ 昭和9年3月20日

出版社 ☆ 昭和書房

サイズ ☆ 160 X 226mm

コンディション ☆ 少時代の変色(概ね良好)

補 足 ☆ 生田敦夫(洗竹亭)旧蔵、識語入り、保存用拵えタトウ付き、初だしの品でございます。


<商品についての解説>

明治から昭和初期にわたる、泉鏡花の生前最後の単行本。小村雪岱が全てを担った装丁本としても最後の一冊であり、のちに発行された鏑木清方と小村雪岱の合作『薄紅梅』は、鏡花逝去の翌月の上梓となった。見返しには、春陽堂版『鏡花全集』の編集者の一人で、届いたばかりの新刊を枕元に自殺した芥川龍之介の原稿複製が使われています。鏡花没後の翌年、急逝した小村雪岱。名付け親である鏡花を追うように逝った雪岱と、師・泉鏡花の記念碑とも言える一冊です。


★★カバー・帯や函などの外装につきましては、付属している場合は記載いたしております。また、外装が揃っている場合は「完本」と記させていただきます。帯や外箱などの有無が不明な場合は記載いたしておりません。
版数は、「初版」「再版」の場合は記載しております。
保存状態につきましては、当方の主観ではありますが、可能な限り詳細に記すように努めております。
以上、ご理解願いたく存じます。★★支 払 詳 細◇Yahooかんたん決済発 送 詳 細◇レターパックプラス520円(340mm X 248mm、4kg以内、追跡記録あり・直接受け渡し)注 意 事 項◆ 保存状態は誠実にお伝えいたしておりますが、色あい・質感ほか、写真に映りにくい場合があります。掲載できます写真の点数にも限りがあり、神経質な方のご入札はおひかえ願います。また、解説・掲載写真等を最後までご確認の上でのご入札をお願いいたします。◆

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◎◇◎ 古書籍・古美術◎◇◎

★★★★★★★★★★★書籍提供をお願いしている、生田敦夫先生よりのメッセージ★★★★★★★★★★★★

思い起こせば、少年時代に起こった家庭内での出来事が原因で、数十年にわたる歪な関係が続き、ほぼ無縁だった父・生田耕作と三十数年前にようやく和解。その後は、親子の失くした時間を取り戻すかのように連絡を取り合い、杯を交えては文学について語り合い、 洛中の古書店を巡り書物を漁り、多くの時間を共にした。しかし親子の時間はそれほど残されておらず、数年後に父はこの世を去る。
とはいえ最晩年の数年、多くの時を共に過ごせたことは、私にとってのささやかな喜びである。

当時私は、洛南向日市の寓居に暮らし、日々、読書・保存修復・装丁・製本・書籍収集に明け暮れていた。
向日市は旧長岡京跡にあり、今も多くの竹林と風情が残る片田舎である。
そのころ私は、父に新しい屋号を考えてくれと依頼した。
そして数日後、屋号「洗竹亭」を用いるようになる。

「洗竹」は、『大漢和辞典』によると居士や草舎と同じ意味を持つようだ。

双蓮居や馴染みの飲み屋で、父はよく言っていた。
「書物やコレクションは、蒐集家から蒐集家・コレクターへと引き継がれるべきであって、無機質な資料館などで一部の研究者のために保管されるものじゃあない。」・・・
今では私も、六十代半ば。和解した頃の父に近き齢となった。光陰儚しかな・・・

泉鏡花のコレクションは、三十数年前に、公開展示を目的に、ご息女、泉名月さんが名誉館長をなさっていた金沢市の泉鏡花記念館に託した。
とはいえ、今でも私は鏡花資料の探索は怠らず続けている。

さて話は変わるが、近年まで十数年間、思いもよらぬ浮世の沙汰に巻き込まれ、少々大袈裟だが、私は半死半生の日々を過ごして来た。
ようやく正気の日々を取り戻した今、雑然と取り散らかった蔵書を眺め、世に言う「終活」ならぬ「蒐割」をすることとした。

泉鏡花をはじめ、国木田独歩、幸田露伴、山田美妙、江見水蔭、岩野泡鳴、永井荷風、谷崎潤一郎、吉井勇ほか、好みの作家を中心に手元へ残し、それ以外の蔵書、そしてダブって所持しているものを「書肆シエン」さんにお譲りいたし、世の愛書家・愛好家諸氏のお手元に届けば幸甚である。

老いてますます市井の道遠く、何卒ご理解願いたく、ご容赦、ご容赦。

令和五年神無月 記す

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